つづきの話など
2018-07-27


◆オリガミの魔女と博士の四角い時間
第十五話:7月28日(土)、22:45-23:00 NHK-Eテレ

◆宝井其角は折鶴を折ったか?(つづき)
岩波文庫の『新編 俳諧博物誌』[LINK](柴田宵曲)を読んでいると、さきごろこのブログ「宝井其角は折鶴を折ったか?」に書いた句がでてきた。しかも、「問題の句」のみならず、参考にあげた「日の春」の句が並んでいた。「日の春」の句は、たしかネットで知ったもので、『俳諧博物誌』を読むのは初めてである。

 日の春をさすがに鶴の歩かな 其角
  聖代
 鶴おりて日こそ多きに大晦日 同
「日の春」の句は其角としては格別奇想でもない。
 春立つや静に鶴の一歩より 召波
は其角の句より得来ったものであろうが、独造、模造の問題は別にしても、句の厚みにおいて遠く及ばぬ。大三十日の方は尋常に安ぜぬところに、其角らしい面目が窺われる。元禄の昔でも大三十日の鶴は不調和だから、「日こそ多きに」といったものらしいが、存外こんな事実があったのかもしれない。
『俳諧博物誌』)

...というように、「問題の句」は、「鶴おりて」(すなわち「鶴降りて」)とされている。(この本(岩波文庫)において、句は歴史的仮名遣いである。つまり、「をりて」ではなく「おりて」である) しかし、前にこのブログに書いたように、『五元集拾遺』(1747)の原本には、「鶴折りて」と、「折」の字がしっかり書いてあるのだ。柴田さんがどう解釈したのか、『五元集拾遺』にとられる前の資料があるのかが気になる。

なお、ルナールの『博物誌』[LINK]に着想を得て、古句から動植物を詠んだ句を集めたという『俳諧博物誌』は、とてもたのしい本である。

◆2+2=4の話(つづき)
すこし前、このブログに、東京外語大学キャンパスで見かけた「2+2=4」といういたずら書きから、オーウェルの『1984』を連想したという話を書いた

明白に誤りようがないことを「1+1=2」ではなく「2+2=4」と表現することは、以前、数学者のエッセイで読んだ記憶があったのだが、それが誰か思い出せず、すこしもやもやしていた。これが、小平邦彦さんの『怠け数学者の記』[LINK]所収の『ノートをつくりながら』であったことを確認できた。


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