交差する円柱の共通部分
2013-03-02



禺画像]
柱面が交差するモデルをいろいろ試して、三つの正四角柱、三つの円柱、三つの菱形四角柱(内部空間は正十二面体)のすっきりしたモデルができた。それぞれ同一ピース6枚組で 、無駄なく美しいのだが、前例がありそうな匂いがした。案の定、パズル関係者のひとたちに訊くと、浜野明千宏さんの「くみがみ」のハマノズキューブ他と、野町直史さんのノマチズアイコサヘドロン(追記3/12 これも、浜野さんが同じものを先に考案していることもわかった)と同じであることが判明した。残念といえば残念だが、発見の喜びはあった。

交差する円柱の共通部分の体積は、和算の資料でも見たことがあるが、大学入試問題の定番でもあるらしい。円柱の半径を1として、二円柱(左)なら、16/3、三円柱(右)なら16-8√2となる。πがでてこないのが面白い。
禺画像]

これを、積分を使わずに計算する方法を考えてみた。(ただし、球の体積、円錐の体積などは既知とする)
禺画像]
上は、ふたつの円柱の交差を半分に切ったモデルである。(ちなみに、切り込みは、サインカーブの一部になる)

見たとおり、二円柱の共通部分は、「カーブのついた四角錐状の立体」をふたつあわせたものだ。円弧に沿って大きさが変わる正方形を積み上げたようなかたちである。いっぽう、球は円を積み上げたようなかたちである。(「積み上げたかたち」というところに積分の発想がはいってしまっているけれど、それはそれ)
さて。正方形の面積とそれに内接する円の面積の比は4/πである。したがって、球と、ここで求める立体の体積の比も、円と正方形の面積の比と同じになる。半径1の球の体積は4π/3である。よって、求める体積は、4π/3×4/π=16/3と、単純なかけ算で計算できる。
禺画像]

三円柱の共通部分は、二円柱の交差と同じ「カーブのついた四角錐状の立体」の一部分(底辺が√2のところまで)が6つと、一辺√2の立方体があわさったかたちである。
禺画像]

この「カーブのついた四角錐状の立体」(底辺が√2)も、中心から√2/2の距離で切り取られた半径1の球の部分体積がわかれば、それに4/πを掛ければ計算できる。
禺画像]

続きを読む

[かたち・幾何学]

コメント(全3件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット