七角形状のつまみ
2015-11-18


禺画像]
先日見た、医療器具のネジのつまみが七角形状だった(写真左)。こうしたネジのつまみでよく見るのは、蝶型、三つ割、十字、五角、多数のギザギザで、七角は(たぶん)初めて見た。セブンロブノブ(鍋屋バイテック会社)という商品名で、製品の特徴紹介に、「7角形は人間の手になじむ理想的なかたちです。」と書いてあった。

七角形状のつまみは、ひとむかし前の電気装置によくあった。写真右は、野辺山45m電波望遠鏡の、約10年前に引退した操作卓のものである。

現行の45m電波望遠鏡の操作卓は、計算機ディスプレイ上のソフトウェアである。わたしが作製したもので、つくるさいに、オリジナル操作卓の七角形のつまみを模したものをつけるかどうかで悩んだ。けっきょく、このつまみの持つ機能自体がほとんど不要になっていたこともあってやめた。

そもそも、マウスやタッチパネルで、軸が垂直の回転ダイヤルを操作させる感覚を与えるのは難しい。というより、ほとんど意味がない。回転ダイヤルは、そうでなければならない必然性があるものは多くなく、「スライダー」で代替できるものがほとんどだ。

基本的なGUI(グラフィカルユーザインタフェース)のウィジェット(部品)に、回転ダイヤルがないのは、理由がある。GUIと対応するSUI(Solid User Interface)という概念がある。物理的なスイッチやダイヤルのことだ。軸が垂直の回転ダイヤルは、そのような機械的インターフェイスの典型なのである。
[かたち・幾何学]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット