道祖神祭りその1〓都留市十日市場
2008-01-15


禺画像]
小正月に松飾りを燃やすドンド焼きは、日本全国各地にある行事だが、甲斐地方では、これが道祖神信仰と習合している。(追記2009.3:ドンド焼きが道祖神と関わるのは全国的である。そもそも両者には密接な関係があり、「習合」とは言えない) 13日と14日、何カ所かでこの行事・道祖神祭りの「飾り」を見てきた。東京〓山梨・長野を行ったり来たりしている半山梨県民だが、見るのは初めてだ。(探索の参考にした文献:『やまなしの道祖神祭り』山梨県立博物館)
◇月日:2008年1月13日
◇場所:山梨県都留市十日市場
◇道祖神のタイプ:文字碑(残念ながら(?)丸石ではない)
◇「飾り」:高さ10m近くの菱形で、ループアンテナのような形状。五重の同心状で、三角形の座布団やバケツなどが下げられている。座布団は、伊豆の「吊し雛」などにも見られる、正方形を二つ折りにした直角二等辺三角形で、小三角形を下げた「子持ち」のものもある。都留は富士みち、つまり富士山に向かう途上に位置するので、このかたちが富士の象徴という意味を含んでいる可能性もある。中心やや上には扇を三つ集めた円がある。道祖神そのものは丸石ではないが、丸、三角、四角(菱形)がそろっていることになる。
 なお、民俗学者の吉野裕子さんによると、菱形や扇は、性や生殖の象徴である。道祖神にはそもそもそうした性格もあるので不思議はない。
 バケツの意味はよくわからない。かつては籠で、養蚕と関係があったとの話もある。
 すぐ近くで、この「アンテナ」によく似た、十字に組んだ竹を中心に立てて松飾りを燃やすところも見た。竹が燃え倒れる瞬間は車中からちらと見ただけで、もとがどのような造形物だったかは、しっかりとは確認できなかった。
[かたち・幾何学]
[石造物]

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