◆第28回折り紙の科学・数学・教育研究集会
7月18日(土) 10:00-17:00に、日本折紙学会主催、
第28回折り紙の科学・数学・教育研究集会をオンラインで行います。チケット販売中です(コンビニ決済もあります)。
◆『紙幣鶴』その後
ひとつ前に書いた、斉藤茂吉の随筆『紙幣鶴』の鶴はどういうものだったのか、という話のつづきである。これを読んだ知人が、「1920年ごろのオーストリアの1000クローネを調べたら、いま一般的な紙幣とは長方形の比率がずいぶん違っていました」と教えてくれた。たしかに、かなり横が短い。古銭ショップの映像から計測すると、100対151であった。これなら、折り返して、鶴を折りやすそうだ。
100対151という値は、映像から計測したので、誤差もありそうで、ぴったり2対3かもしれない。となると、『秘伝千羽鶴折形』の「拾餌(ゑひろひ)」、「呉竹(くれたけ)」、「杜若(かきつばた)」、「瓜の蔓(うりのつる)」がその比率の長方形だ。それらは、切らないといけないが、第一次世界大戦後のドイツで1兆倍のハイパーインフレーションになったように、同盟国のオーストリー・ハンガリー帝国でも、それは紙切れ同然だったようだ。
なお、「オーストリアの王冠を飛ばす」と書いたが、王冠=Kronenは、彼の国の貨幣の単位でもある。コロナウイルスのコロナと同じ語源である。
◆豆大師の並び
アマビコ、アマビエなどの図像が、感染症避けの護符として注目を集めているが、よりメジャーなのは、鍾馗や元三大師(がんざんだいし)だ。元三大師こと、平安時代の高僧・良源の伝説を起源とする護符は、角大師(つのだいし)と豆大師の二種類がある。角大師は西洋の悪魔に似た図像で、豆大師は、観音信仰に基づく三十三体の小さな大師像を描いたものだ。
この護符は、東京・調布の深大寺の未使用シールが我が家にもあった。「悪魔の前川」として、瓶詰めの悪魔という呪物をつくるさいに封印として使おうと求めたものである。あらためて見ると、豆大師の並びも気になった。三十三の観音の化身に由来する三十三の大師像の並びが、2+3+4×7になっている。33という数字なら、3,4,5,6,7,8の台形、そして、2,3,4,5,6,7,6という3回回転対称の六角形もきれいだ。
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