マグニチュード など
2017-04-20


◆マグニチュード
昨年の熊本・大分の地震における4月14日と同16日のマグニチュード(M6.5とM7.3)の比較で、「エネルギーが16倍」という話があった。マグニチュードは常用対数(1増えると10倍)だったような記憶があったので、0.8の差で10倍以上なのはなぜだろう、と疑問に思って確認してみると以下だった。
地震の規模とエネルギーとの関係
(Gutenberg-Richter)
log E = 4.8 + 1.5M
ただし、E:地震波として放出されたエネルギー(単位はJ)
『理科年表』 2017)

エネルギーとの換算式で、Mに係数1.5がかかるのである。であれば、たしかに、0.8違うと約16倍である(10(1.5*0.8)≒16)。ここ数年間、ずっと地震の話を聞いてきたのに、ぼんやりした知識だった。
なお、101.5=31.6...だが、指数を1.505...とすると、101.505...=32=25で、(2進法が日常的なプログラマとしては)きりがよい。104.8のほうも、4.816...であれば、104.816...=65536=216できりがよい。上の式の4.8と1.5が2進法を起源とするのかは調べきれていないが、ありそうな話ではある。

『理科年表』を見ると、観測データからのマグニチュードの計算式には、すくなくとも7つの種類がある。しかし、物理的な意味としては、「約32を底とする(1増えると約32倍、2増えると1000倍になる)対数表示の、地震波として放出されたエネルギーの単位」ということで間違いない。さまざまな計算式は、要するにエネルギーの見積もりかたが異なるということである。

エネルギーなので、カロリーにも換算できる。1calは4.184Jという定義(もとは1gの水を1標準気圧で1度あげる熱量)なので、M1=10(4.8+1.5)≒2000kJ≒500kcalである。そして、爆弾のエネルギーである「TNT換算トン」もカロリーで定義(1TNT換算グラム=1000カロリー)されている。広島の原子爆弾は15キロトンと言われ、約6.3*1013Jである。これはM6の値(10(4.8+1.5*6)≒6.3*1013)にほぼ等しい。

M1は、ラーメン1杯の代謝熱量にほぼ等しい程度だが、M6になると、広島の原子爆弾に並ぶということである。

◆比喩表現としての折り紙
日本の折り紙のように華奢な夢の架け橋が崩れ落ちそうになり、そして目が覚めるとアラペードはベッドの中にいた。 (『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボー著 高橋啓訳)

比喩表現としての折り紙のひとつの典型の、脆いものとしての折り紙である。原著は1985年、フランスでは英語圏ほど「オリガミ」という言葉が使われていないので、原文は、プリエ・ド・パピエとか、プリアージュ・ド・パピエだろうかとも思うのだが、どうなのだろう。「日本の」とあるから、やはりorigamiなのかな。

いろいろと深読みが可能な小説で、重要な数字がなぜ53なのかなどが気になったのだが、「クノー数」というものがあるらしい。
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