『麒麟の翼』の折鶴 など
2012-01-04


一昨日映画館で観た『麒麟の翼』(東野圭吾原作 土井裕泰監督)の予告編に、血染めの折鶴がでてきて、おっと思い、原作を未読だったので、買って帰り、読んだ。

原作に血染めの折鶴はでてこなかったが、千羽鶴が重要な小道具として使われていた。また、作中に店名の記述はないが、三越から小伝馬町方面に行ったところにある和紙の店・小津和紙が描かれていた。検索してみると、小津和紙さんのブログでも、この件がとりあげられていた。(原作発売直後と、映画ロケ後
この作品は、いわば、日本橋のご当地ミステリなので、高島屋の近くにある和紙の老舗「はいばら」(現在、地域再開発中で仮店舗での営業らしい)は、ちょっとくやしかったかもしれない、などと思った。

銀座・日本橋近辺に行ったさいは、小津和紙、はいばら、鳩居堂、伊東屋、丸善をハシゴする(すくなくともその数軒には行く)が定番だったのだが、思えば、小津和紙さんには(はいばらさんにも)何年も行っていない。(先日、妻に買い物を頼んだけれど) 今度また行ってみよう。

なお、『麒麟の翼』での折鶴の使われかたは自然だった。紙のサイズという折り紙者がニヤリのトリヴィアもある。映画にもでてくるだろう。

映像作品にでてくる折鶴と言えば、TVドラマの『南極大陸』での千羽鶴の描かれかたは、ちらちらと観ただけなのに、違和感がとても強いものだった。1950年代の千羽鶴なら、使う紙は、煙草の包み紙や包装紙等の再利用にすればよいのに、15cmの「いろがみ」で折っていた。また、仕上げが羽根を閉じたかたちになっていたが、わたしの記憶にある千羽鶴(1960年代)は、羽根を広げているもので、羽根を閉じて(さらには頭の中割りをせず)ぎっしりと詰めるのは、案外、最近の習慣である。折鶴の他にも折り紙モデルが映っていたが、1970年代以降の創作であるロバート・ニールさん(ロバート・ハービンさんという誤記を修正)の「ふきごま」がでてきたのは、完全にバツだった。ドラマなので、それらしいリアリティーでよいのだが、このドラマは演出全般(といっても全体の10%ぐらいしか観ていないのだが)にどこかずれた感じがあり、それが折り紙という小道具にも顕れている印象を持った。
[折り紙]

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