カーブミラーのスポットライト
2011-01-11


禺画像]
昨日の正午前、南東を向いているカーブミラーが、路上にスポットライトをつくっているのを見た。ほぼ真円になっていたのだが、これはなぜかということを考えた。

 まず、この「円」は、太陽の輪郭によるのではなく、鏡面の輪郭によるものである。「鏡面の直径÷投影面までの距離」が、太陽の視直径(ラジアン単位)より充分小さい値であれば、投影面に太陽の像が確認できるだろう(追記:カーブミラーは、鏡面が大きすぎ、かつ反射光が広がるので、光量が足りず、像を結ぶのは難しい)が、これはそうではなく、鏡面のかたちが地面に投影されたものである。
 問題は、地面と鏡面のなす角度が大きいのに、その投影像が真円に近いのはなぜなのか、ということである。

 鏡の下向きの角度を10度、太陽の高度を30度、太陽の方位角を鏡の正面とすると、概略は図のようになる。横と正面から見た図である。図の下のミドリの楕円と赤い「円」は、真上から見た投影された像である。ミドリの線が平面鏡の場合で、その投影像は、かなりつぶれた楕円になる。赤い線が凸面鏡の場合で、その投影像は、楕円錐を斜めに切ったかたちとなると考えられる。この角度の場合、楕円錐の楕円と、斜めに切ることによる楕円が相殺されて、ほぼ円になったわけだ。

 面白い現象である。ミラーに対して太陽が正面になるとき、その高度が低く、かつ路面が影になる場所と季節で見ることができる。
[かたち・幾何学]

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