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楕円の記事に
三谷さんが関心を示してくれたこともあり、投影のことをすこし考え、そこから、宇宙から見た地表のかたちということに連想がひろがった。
国際宇宙ステーションの映像で、図の上部に描いたような地平線の円弧が認識できる映像を見ることがある。しかし、地平線の円周全部という映像を見ることはない。それは、国際宇宙ステーションの高度が案外低く、地球が視野いっぱいになってしまうからである。その軌道の高さは約350km、東京-京都の直線距離ぐらいで、静止軌道(地表から約36000km)や月の軌道(約380000km)などに比べるとはるかに近いのである。その高さからは、地平線から地平線の視野角は140度ぐらいで、見える地球上の範囲は、地球中心角にして40度ぐらいになる。
このとき、地球がどのようなかたちに見えるのだろうかということを、すこし考えてみた。
輪郭は当然のことながら円弧で、全体として球の一部に見えるとは思うが、それは、地球が球であると知っているためとは言えないだろうか。目に映る映像を頭をからっぽにして認識すれば、凸レンズのようなかたちを真正面から見たものとして知覚されるのではないだろうか。地表の様子などで湾曲は認識できるが、小さな球のように常にほぼ半球が見える状態と違い、球の一部しか見えていないので、その湾曲はかなりゆるやかなのものとして見える。すなわち、レンズのようなかたちに見えるのではないかと。
どう見えるかというのは、さまざまな要素があり、個人の感覚もありそうなので簡単にはなんとも言えない。視野いっぱいの地球を中心方向に向かって見た時、地球に包まれる感じになるかもしれない。この高度では、ひとの最大視野と地球の大きさがほとんどひとしい。左右の視野では、その端にかろうじて地平線が見えるが、ひとの上下の視野はそれより狭い(120度ぐらいらしい)ので、一瞥では地平線は見えないだろう。
関連した話題では、20年以上前に読んだきりで、記憶が曖昧で確認もしていないけれど、エドガー・アラン・ポーの気球冒険小説に、高高度から見た地表風景の話があったことを思い出した。そこには、この「包まれる感じ」に似た、地表が凹面に見えるとの記述があった。ただ、ポーの想像力には感心したが、説明自体としては納得はできないものだった。
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