バナッハ=タルスキーの逆説
2009-09-26


「バナッハ=タルスキーの逆説」というものがある。 「球を分割し、その断片を組み合わせると、元とまったく同じ大きさの二つの完全な球に再構成できる」ということである。しかも、この球の中身は詰まっている。どう考えても「おかしい」この内容は、まさに逆説だが、これがなんと、きっちり証明される立派な定理なのである。「選択公理」(複数の集合からひとつづメンバを選択することで新しい集合をつくることがきるといったことで、それ自体は当たり前のことに思える)を仮定すると、これが証明されてしまうのである。
 無限が関係すると、話がややこしくなることの典型である。わたしは、これを、『ホワイト・ライト』(ルディ・ラッカー著 黒丸尚訳)というぶっとんだSF(MF(Mathematical Fiction)?)で知ったのだが、最近読んだ『世界でもっとも奇妙な数学パズル』(ジュリアン・ハヴィル著 松浦俊輔訳)にも説明があった。そこの部分は流し読みだったのだが、なんとなく頭にのこっていたので、どことなく似たところがなくもない『紙の単体』により惹かれたのかもしれない。
[かたち・幾何学]

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